横浜市がホテル事業者に市民の財産である横浜市の土地を売却しようとしている件について、参考価格の㎡47万円(9400㎡=44億1800万円)が相場よりも安いのではないかと調査を継続してきましたが、協力を依頼した権威も実績もある弁護士・不動産鑑定士さんからの結果が出ました。

 計算式は以下の写真にある通りですが、ポイントは・・・

 (1)相続税路線価に基づく価格では、㎡76万5000円(9400㎡=71億9100万円)
 (2)公示価格を基準とした価格では、㎡91万4000円(9400㎡=85億9160万円)
 (3)つまり、㎡47万円の価格のまま横浜市が事業者と今後、売買契約を締結したら、相続税路線価ベースの算定では27億7300万円、公示価格ベースの算定では41億7360万円の損害を市に与えることになります。


 (弁護士・不動産鑑定士によるみなとみらい20街区の不動産鑑定資料)

 現在、横浜市のMICE振興課に、参考価格㎡47万円を決定した際の不動産鑑定資料一式を情報公開請求しています。

 今回、私が調査・協力依頼をした弁護士・不動産鑑定士は「不動産鑑定書は情報公開の対象になるが、横浜市がどこを墨塗りしてくるか」と懸念していますが、横浜市が開示した資料をもとに再度、どうしたら㎡単価47万円という数字がはじき出されたのか分析していただくことにしています。

 ただ、横浜市は教育長が昨日、一転、謝罪したいじめ問題に関する資料への私の情報公開請求に関して、開示延長決定通知が私のもとに送られてきたように、情報公開の決定まで時間稼ぎをする恐れがあります。
 やましいところが無ければ堂々と速やかに情報を公開してもらいたいものです。


 (横浜市教育委員会からの情報公開の開示延長決定通知)

 また、MICE振興課によれば、不動産鑑定を横浜都市総合企画、上出不動産鑑定事務所の2者にみなとみらい20街区の土地の鑑定を依頼し、それぞれに130万円、140万円を支払ったこと。

 この2者を選んだのは、みなとみらいの鑑定実績のある横浜市の登録事業者の中から選んだこと。
 
 2者がそれぞれ㎡単価46万5000円、47万5000円という数字をはじき出したこと。

 これを横浜市の財産評価審議会にかけて㎡単価47万円という参考価格を決定したと説明しています。だから、公正に決定された価格であるというのです。

 行政内部の事情をよく知らない人は、この説明で「なるほど」と納得してしまう人も多いかもしれません。

 しかし、私が調査・協力依頼をした弁護士・不動産鑑定士によれば、客観的に不動産鑑定価格をはじき出そうとするならば、本来、地元以外の不動産鑑定の会社に依頼すべきであること。

 (相続税路線価ベースでもない、公示価格ベースの算定でもない、特別の算定方式に基づき不動産鑑定価格をはじき出したのであれば)2者が連携しなければ、46万5000円、47万5000円という近い数字をはじき出せないこと。

 また、不動産鑑定会社が役所の意向に沿って価格をはじき出してしまうことも決して珍しいことではないこと。
 (京都市のポンポン山の事件では,対象とされた土地の鑑定額が大きな問題となった。その金額は当時の適正な価格の数倍ともいえる47 億円で,それを正当化する不動産鑑定書が作成 京都府立大学学術報告(公共政策)第3 号 2011 年12 月 p.8.⇒結果として、田辺朋之前市長に対して26 億1257 万円および2003 年6 月30 日以降の利息を支払うよう命ずる判決・確定。)

 財産評価審議会は、2者の不動産鑑定結果を参考にして追認しただけではないかと話しています。

 横浜市はホテルの事業者への土地の売買にあたり、参考価格を時点修正させるため、改めて不動産鑑定をかけることにしています。

 私へのヒアリングでは「同じ2者に依頼する」と話していましたが、客観的な価格を立証するのであれば不動産鑑定会社の選びなおしからやる必要がありそうです。

 このまま、27億円とか41億円の損害を市に与えてしまうようなことがあってはなりませんし、住民監査請求や損害賠償請求も十分念頭において、横浜市には誠意ある対応を求めてゆきたいと思います。

 私も市長時代に痛感させられましたが、職員はこの手の損害賠償保険に入ることができるのですが、市長職の場合は訴えられるリスクと責任を負うリスクが高いため、保険に加入できませんでした。
(ただし最近は、損害保険会社の「団体地方公務員賠償責任保険」で、住民訴訟や民事訴訟で損害賠償金の支払いを命じられた時、標準型で上限5000万円(争訟費用は300万円まで)が補償される。1年更新で、継続して加入していれば、退職後も5年間は有効という保険もあるようですが)。

 だからなおさら、今回の件は慎重さが求められるのです。