本記事では、参議院選挙2019から鹿児島県選挙区の立候補者情報、最新情勢からの当落予想などについてご紹介していきます。
今年は、統一選と参院選が重なる選挙イヤーの亥年。
7月にはいよいよ参議院議員通常選挙が行われます。
参院選2019鹿児島県選挙区の候補者はどんな顔ぶれなのでしょうか?
目次
参議院選挙2019【鹿児島県選挙区】の立候補者名一覧
鹿児島県選挙区の立候補者
尾辻 秀久(おつじ ひでひさ)の経歴やプロフィール
出典元:http://www.otsuji.gr.jp/
- 名前:尾辻 秀久(おつじ ひでひさ)
- 現年齢:78歳
- 性別:男
- 党派:自由民主党(公明党推薦)
- 肩書き:参議院議員
- 学歴:鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校、防衛大学校中退、東京大学教養学部中退
- 職歴:鹿児島県議会議員(2期)、参議院議員(5期)
現職の尾辻秀久氏は、1940年10月2日に鹿児島市で生まれます。
3歳で父親を戦争で亡くしていた尾辻氏は、防衛大学校在学中に母親が急逝したため中退し、アルバイトをして妹を大学に行かせます。
その後、東京大学に進学するも、紛争最盛期で授業がほとんど行われなかったため海外諸国を渡り歩き、帰国後に退学。
鹿児島県議を2期務め、1986年の衆院選に挑むも落選。
1989年・1995年・2001年・2007年の参院選に比例区から、2013年の選挙では定年制の関係で鹿児島県選挙区からいずれも自民党公認で出馬し、当選しました。
これまでに参議院副議長や厚生労働大臣などを歴任し、現在、自由民主党両院議員総会会長を務めています。
尾辻氏が掲げる政策は以下のとおり。
- 平和な国
・初心を忘れず、恩を忘れず、いつまでも「ご英霊 (国のために亡くなった方) の心を心として」平和な国を護ります。
・調和のとれた社会が理想です。国と地方、政と官と民、共にぎすぎすしないように「和をもって尊し」とします。 - 生涯現役社会の実現
・健康寿命(健康に生きている年齢)を85歳(女性の平均寿命)に引き上げられるように、がん対策、生活習慣病対策、自殺対策、運動器健康維持対策など、保険と医療の充実・促進に努めます。
・定年制の廃止を目指します。 - ユニバーサル(共生)社会の実現
・人間一人ひとりが、尊厳を持って生きることのできる社会づくりをいたします。
・みんなが「誇りと役割を持って生きていくことの大切さ」を実感できる社会を目指します。
・「機会均等社会」にします。生まれや育ちでスタートラインに差があってはいけません。
(3歳で父を亡くし、20歳で両親を失った私の痛切な思いです) - 心と体に優しい国
・「食育」は、個々の健康のためにも、美しい家庭を守るためにも重要なことです。「食育」という日本の伝統を大切にします。 - 子供は日本の宝
・産みやすい環境をつくることももちろん大切ですが、生まれてきた子どもを大切に育てることが最優先の少子化対策であると考えています。そのために保育所の役割はますます重要です。保育制度を死守します。
・地域全体による子育て、教育は薩摩の文化・伝統です。 - 社会保障の拡充
・日本の宝である国民皆年金(みんなが年金に加入している)制度と皆保険(みんなが医療保険証を持っている)制度は、どんなことがあっても守っていきます。
・負担された保険料は、全て年金給付につながるよう必ずします。
・国民負担率(収入のうち、公的保険の保険料を含めて税金を納める割合)を50%にして、弱者に優しい国にしたいと考えています。
・「消費税を上げ、その分を福祉に使う目的税にすべき」が私の持論です。
合原 千尋(ごうはら ちひろ)の経歴やプロフィール
出典元:https://www.dpfp.or.jp/
- 名前:合原 千尋(ごうはら ちひろ)
- 現年齢:39歳
- 性別:女
- 党派:(無所属)
- 肩書き:行政書士
- 学歴:県立鶴丸高等学校、九州大学法学部法律学科卒業
- 職歴:株式会社昴勤務、合原行政書士事務所(自営)
新人の合原千尋氏は、1980年2月2日に鹿児島市で生まれます。
大学卒業後、鹿児島市をはじめ九州で「学習塾昴」を運営する会社に勤務。
2008年に結婚を機に退職するも、翌年から2017年まで同塾で講師を務め、2013年には自ら行政書士の事務所を立ち上げます。
スローガンは、「政界一新!おごじょの挑戦。」
掲げる政策は以下のとおり。
- 生きる喜びをすべての国民が実感できる共生社会をめざします。
子どもの貪困対策をはじめ、人への投資を拡大して生きる喜びを実感できる共生社会を確立します。 - 戸別所得補償制度の復活、持続できる農林水産業と農漁村をつくります。
鹿児島の農漁村を衰退させる現行制度を見直し、持続可能な農林水産業と農漁村をつくります。 - 男女が平等に活躍できる社会をつくります。
女性に対する差別や経済的な不利益を解消し、女性の立場の向上をはかります。 - 離島の魅力を活かし観光交流で鹿児島をおこします。
「地図の上に離島が存在しても政冶の離島は許さない」をモット一に半島、離島振興に取り組みます。 - 環境保全で持続可能な社会をめざします。
温室効果ガスの削減をはじめ、現実を見据え、子々孫々の未来に責任を持つ環境政策を進めます。 - リフレッシュ・日本、安心して働ける社会を実現します。時給1,000円の実現。
すべての働く人たちの安定と安心のために、本人の希望やニーズに応じた多様な選択ができる労働環境を整備します。 - 専守防衛に徹し、対話と協調で平和と安全保障を構築します。
「専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」の方針で臨みます。
前田 終止(まえだ しゅうじ)の経歴やプロフィール
出典元:https://scontent-lax3-1.xx.fbcdn.net/
- 名前:前田 終止(まえだ しゅうじ)
- 現年齢:71歳(※7/25~ 72歳)
- 性別:男
- 党派:無所属
- 肩書き:元霧島市長
- 学歴:県立牧園高等学校、亜細亜大学法学部卒業
- 職歴:中尾宏衆議院議員秘書、二階堂進衆議院議員秘書、鹿児島県議会議員(4期)、牧園町長(1期)、霧島市長(4期)
新人の前田終止氏は、1947年7月25日に牧園町(現・霧島市)に生まれます。
鹿児島選出の衆議院議員中尾宏氏、官房長官や自民党副総裁などを務めた二階堂進氏の秘書を経て、県議選で2度落選を経験するも、1987年から4期県議を務めます。
2004年に牧園町長に就任し、翌2005年に1市5町の合併により霧島市発足に伴い行われた市長選で初当選。
以後3期にわたり市長を務めるも、2017年の選挙では僅差で敗れ、4選を逃しました。
出馬表明の記者会見の中で、その思いを次のように述べています。
「前田終止として地方政治一途に生きてきたが、国政に挑む最後の政治人生の政治生命をかけた戦いになる。」
また、世界自然遺産を生かした観光振興などに取り組みたいとしています。
参議院選挙2019【鹿児島県選挙区】の当落予想と情勢調査
参院選2019鹿児島県選挙区の改選数は1名。
今回改選を迎える現職は、6選を目指す尾辻秀久氏(自民党)。
新人は、野党統一候補の合原千尋氏(無所属)、前田終止氏(無所属)が立候補しました。
なお、野党候補一本化の調整の結果、松崎真琴氏(日本共産党)と伊藤周平氏(社民党)は立候補取り下げ、合原氏は国民民主党公認から無所属への出馬へ切り換えすることに。
過去の選挙を振り返ると、2013年の選挙では、比例区から選挙区に転じた尾辻氏(自民党)が403,450票で圧勝。
皆吉稲生氏(民主党)は120,803票、岩重仁子氏(日本維新の会)は99,355票、野口寛氏(日本共産党)は50,341票、松沢力氏(幸福実現党)は9,629票で落選しました。
前回2016年の選挙では、現職の野村哲郎氏(自民党)が438,499票の圧勝で3選。
野党統一候補の下町和三氏(無所属/民進党・日本共産党・社民党推薦)は216,881票、坂田英明氏(無所属)は46,096票、松沢力氏(幸福実現党)は42,228票で落選しました。
このように過去2戦では自民候補が大勝。
ただし、今回は尾辻氏の多選に反対して、自民党員で元霧島市長の前田氏が参戦。
出馬表明の席で、現場を知らない尾辻氏への批判から県議や首長から出馬を要請されたと発言しており、保守分裂になるのは必至です。
その影響がどの程度かはわかりませんが、やはり組織力で勝る尾辻氏が盤石な戦いを進めるのではないでしょうか。
まとめ
参院選2019鹿児島県選挙区は、6選を目指す自民党の尾辻氏と野党候補の合原氏、元霧島市長で無所属の前田氏による三つ巴の戦いに。
保守分裂となっていますが、強固な地盤に支えられた尾辻氏の当選は揺るぎないと思われます。
その後を追う合原氏は、無党派層の取り込みが大きなポイントでしょう。