2017年9月28日に解散した衆議院ですが、10月10日公示・22日が投開票であるにも関わらず既に各政党においては激しい選挙戦が始まりましたね。
小池新党こと希望の党は民進党の公認申請を受けて勢い付いてきました。
今回の衆議院選挙では安倍政権VS小池新党(民進党)の構図となっているようですが、有権者としてはまだどの政党に1票を投票しようか迷っている人も多いのではないでしょうか。
ここではそんな第48回衆議院議員総選挙2017の各政党の公約(マニフェスト)を簡単にご紹介すると共に比較できそうな点をわかりやすくまとめていきます。
目次
衆議院選挙(衆院選)2017公約比較まとめ! 自民や各党を一覧でわかりやすく
そもそも公約とは何なのか、と思っている人も少なからずはいるでしょう。
公約とは(政府・政党などが)公衆に対して、ある事を実行すると約束すること。その約束。
つまり政党が国民に向けて約束事をしますよ、ということですね。
ウチの政党及び議員に投票し見事当選したら選挙戦の間に提唱していた内容を必ず果たすことを約束します!といった感じですね^^
まぁその後実際にどれだけの公約が果たされたかどうかはさておき、主に選挙中は各政党の公約が投票する側としては一定の指標となるわけです。
ちなみに公約は英語でマニフェスト(manifest)とも言われています。
自由民主党の公約(マニフェスト)
安倍政権の砦でもある自由民主党が今回の衆議院選挙2017に掲げている公約(マニフェスト)にはどんな内容があるのでしょうか。
当記事執筆時点では明確な公約こそ掲げられていませんでしたが、NHKのニュースや各種報道機関によれば、自民党の今回の衆議院選挙での重点とする公約項目は、
- 安全保障
- アベノミクスの完遂
- 生産性革命
- 人づくり革命
- 地方創生と復興の加速
- 国の骨格
の6項目を打ち出していると報じています。
それぞれの項目に関しては10月2日に正式な公約として発表するとのことです。
【10月2:自民党の衆議院選挙2017の公約及び重点項目の内容を追記しました】
10月2日に自由民主党の衆議院選挙2017における政権公約が発表されました。
今回の主な公約は以下の通りです。
- 北朝鮮の脅威から国民の生命と財産を守り抜くこと
- 消費税の使いみちを見直し、子育て世帯へ投資を集中させること
これらに加えた憲法改正を政策の重点項目として位置づけ、自衛隊の明記も明示しています。
選挙スローガンは「この国を、守り抜く」。
いかにも安倍政権らしい内容になっているのではないでしょうか。
またNHKが独自で実施した衆議院選挙2017の世論調査によると、安倍政権を不支持する、という内容がこれまで支持するといった指標を若干上回ってしまっているようです。
安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月行った調査に比べ、7ポイント下がって37%、「支持しない」と答えた人は、8ポイント上がって44%で、「不支持」が「支持」を上回りました。
果たして今回の自民党の公約が吉と出るか凶と出るか、注目ですね。
公明党の公約(マニフェスト)
公明党が掲げる政権公約としては幼児教育や私立高校の授業料の無償化など、教育負担の軽減に取り組むことを打ち出しています。
やはり自民党との連立政党ということで比較的にその内容は似ていると言って良いのかもしれません。
NHKが報じたニュースによると、この公約の具体的な内容としては0歳児から5歳児までのすべての幼児教育を無償化することや、年収590万円未満の世帯の私立高校の授業料の無償化など教育負担の軽減に取り組むこと、だそうです。
その他にも働き方改革的な公約も盛り込んでいて、仕事を終えてから次の日の仕事を始めるまでに、一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の導入なども訴えていくそうです。
公明党はどこか昔からその党の印象としては子ども世帯の強い味方といった印象を受ける人も多いのではないでしょうか。
正式な公約(マニフェスト)内容は10月5日に発表されます。
【10月7日追記】
公明党の2017年衆議院選挙の公約が発表されました。
公明党は「教育負担の軽減」「経済政策の推進」「社会保障政策」「復興・災害対策」の4つの項目を柱とした公約を発表。
具体的な政策内容として党代表を務める山口那津男氏は下記のコメントを発表。
「年収590万円未満の世帯を対象に私立高校授業料の実質無償化を掲げ、2019年までの全国での実現を目指していく」
またその他にも働き方改革を進める姿勢を示しました。
具体的には月曜の午前中を休みにする「シャイニングマンデー」の普及を提案。
・・・むむむ?もしプレミアムフライデーとシャイニングマンデーが合わさったとしたら・・・週休4日でいいのでは?
また、自民公明の間でも慎重な「憲法改正」については自民党が政権公約で示している自衛隊を明記することについて「理解できないわけではない」としたうえで、「多くの国民は憲法違反の存在とは考えてない」としています。
希望の党(小池新党)の公約(マニフェスト)
今回最も注目を集めている小池百合子東京都知事率いる希望の党ですが、急に政党として出現しただけにどんな公約を今回の衆議院選挙2017に盛り込んでくるのか気になるところですよね。
こちらも遅くとも10月第1週には発表されるとのことですが、日経新聞のインタビューでは党の代表を務めている小池百合子氏は以下のようにコメントしたとされています。
日本経済新聞のインタビューに応じた小池氏は「実感の伴う景気回復まで消費増税は立ち止まる」と述べ、衆院選の公約に増税凍結を掲げる考えを示した。
安倍総理率いる自民党が消費税増税政策を進める姿勢を出しているのに対して、それに待ったをかけるとみられる希望の党ということですね。
また希望の党の公約の一つとして憲法改正についても盛り込まれていく可能性は高いようです。
こちらも詳しい情報が入り次第追記致します。
【10月6日追記:希望の党の正式な公約(マニフェスト)を追記しました】
<希望の党の公約>
- 消費税増税凍結
- 議員定数・議員報酬の削減
- ポスト・アベノミクスの経済政策
- 原発ゼロへ
- 雇用・教育・福祉の充実
- ダイバーシティー社会の実現
- 地域の活力と競争力の強化
- 憲法改正
- 危機管理の徹底
<「希望への道」しるべ 12のゼロ>
- 原発ゼロ
- 隠ぺいゼロ
- 企業団体献金ゼロ
- 待機児童ゼロ
- 受動喫煙ゼロ
- 満員電車ゼロ
- ペット殺処分ゼロ
- フードロスゼロ
- ブラック企業ゼロ
- 花粉症ゼロ
- 移動困難者ゼロ
- 電柱ゼロ
これだけ多くの公約を掲げている希望の党ですが、小池百合子代表は発表した公約に対して下記のようにコメントしています。
「希望の党として希求するのは党の利益ではない。国民のため、税の恩恵をすべての国民に届ける仕組みを強化する。国政を透明化し、日本に、未来に、希望を生む」
「希望への道しるべ12のゼロ」という政策実現に向けた内容は、特に庶民的な感覚と近いように思えますね。
満員電車ゼロとか・・・本当にできるのでしょうか。
民進党の公約(マニフェスト)
希望の党と事実上の合流することになった民進党の公約はどうでしょうか。
正直希望の党との合流のニュースばかりで民進党単体のあり方みたいなものが薄れつつ有るのですが…
まだ希望の党が立党する前に民進党が提唱していたのは憲法改正の項目として「首相の衆院解散権の制約」や経済成長重視のアベノミクスへの反発、また、所得再分配の強化による社会保障充実や教育無償化、などがあったようです。
こちらも正式な公約が発表され次第追記致しますが、それにしても希望の党からの公認候補となれない民進党議員は無所属で出馬すると言われていますね。
これはいくらまともな公約があったとしても惨敗してしまうのではないのでしょうか…
立憲民主党の公約(マニフェスト)
リベラル派民進党議員達によって結党された立憲民進党ですが、衆議院選挙2017では野党共闘ということで、立憲民進党・共産党・社民党と組み与党、安倍政権を倒す方向で動き始めました。
10月5日時点で所属している国会議員(衆議院)は以下の通りです。
菅直人 | 赤松広隆 |
比例東京、衆12期 | 愛知5区、衆9期 |
枝野幸男 | 荒井聰 |
埼玉5区、衆8期 | 比例北海道、衆7期 |
近藤昭一 | 長妻昭 |
愛知3区、衆7期 | 東京7区、衆6期 |
辻元清美 | 阿部知子 |
大阪10区、衆6期 | 比例南関東、衆6期 |
佐々木隆博 | 逢坂誠二 |
北海道6区、衆3期 | 北海道8区、衆3期 |
初鹿明博 | 高井崇志 |
比例東京、衆2期 | 比例中国、衆2期 |
落合貴之 | 篠原豪 |
比例東京、衆1期 | 比例南関東、衆1期 |
【10月7日追記】
立憲民主党の公約が発表されました。
立憲民主党が発表した主な公約については以下の3つ。
- 消費税増税の反対
- 1日も早い原発ゼロの実現
- 安全保障関連法を前提とした「憲法9条の改悪」に反対
党としての公約というよりも枝野幸男氏らしい公約のように思えますね。
安倍政権の経済政策は成果が上がっておらず、保育士や介護職員の給与を引き上げるなど実質賃金の上昇によって中間層を再生すると訴えを出している立憲民主党。
確かに安倍総理が日本の経済が良くなったと言ってもそれを身をもって実感している人は一体どれくらいいるのか?
(なかなかわかりにくいところでもあるかもしれません)
立憲民主党の福山幹事長は記者会見で、
「民進党での積み上げを急激に変化させたり、受け狙いで強いことを言うのはやめようということだ。国民には、政策の実現に力添えをお願いしたい」
と述べています。
安倍総理の言う「ブームからは何も生まれない」、というのはある意味その通りかもしれませんし、政党が一発屋では困るわけです。
これからはリベラル派で結束された元民進党議員達で堅実に、一歩一歩やっていってほしいですね。
日本共産党の公約(マニフェスト)
民進党が希望の党に事実上の合流した事実を受け、背信行為であると民進党を強く批判した共産党ですが、当記事執筆時点では公約はまだ発表されていませんでした。
しかし共産党、主に志位委員長が提唱する公約はほぼ一貫していると言って良いのかもしれません。
参考までに2014年度の衆議院選挙の共産党の公約は下記の通りです。
- 消費税率10%は「先送り」実施ではなく、中止を
- 格差拡大のアベノミクスの暴走ストップ
- 「海外で戦争する国」づくりを許さない
- 原発再稼働ストップ
- 米軍の新基地建設を中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくる
- 政治腐敗の根源をただす
おや?子育てや教育に関する公約が項目として入っていませんね。
しかしインタビューでは度々志位委員長の口から少子高齢化に伴う社会保障制度の充実や子育て支援などの声も聴いたことがあるはずです。
今回の公約発表が待たれます。
【10月5日:日本維新の会マニフェスト情報を追記しました】
10月4日に日本共産党の公約が志位委員長より発表されました。
箇条書きすると衆院選2017での共産党の公約は以下の通りです。
- 安倍首相が提起した憲法9条改正に反対であり、「前文を含め全条項を守る」
- 原発は全て廃炉とする
- 2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げは中止とする
やはり志位委員長、というか共産党がこれまで訴えてきた内容と全く変わらない公約で、ある意味一番自党が掲げている公約に対して真っ直ぐなのではとも言えるのではないでしょうか。
共産党は憲法9条改定に対して真っ先に反対を唱えた党でありますがその理由として志位委員長は下記のようにコメントしています。
「(戦力不保持の)2項が死文化し、無制限の海外での武力行使が可能になる」
さらに原発に対しても、再稼働は一切認めずに「全ての原発で廃炉プロセスに入る」と公約に明記しました。
さらにさらに、一番町の人が興味があるであろう消費税10%への増税においては富裕層への課税強化を訴えるとともに増税に反対を唱えています。
というわけで簡単に言えば、自民党全ての政策に反対ということになりますね。
消費税を例えに上げれば、目先の生活は現状維持でも将来の世代には今と同じく不安が残る社会保障制度になっているのかもしれない・・・といった考え方もできます。
原発ゼロに関しても、じゃあその代替エネルギーはどうするの?具体例は?他国での実績などは?
といろいろと突っ込んで聞いてみたくなりますね・・・。
日本維新の会の公約(マニフェスト)
松井一郎大阪府知事が党首代表を務めている日本維新の会ですが、希望の党がとんでもないバズーカ砲を打ったというコメントが印象的でしたね。
また、小池新党のやり方はまるで日本維新の会のやり方をパクっているといった声もちらほらと・・・
両党は「議員定数・議員報酬縮減」「地方分権の確立」「行政改革」など共通政策が多く、政策ブレーンも重なっている。
松井氏は26日、希望の党について「政策を見ると、ほとんど僕らが6年前から言ってること(と同じ)。同じ志を持っているチームが、都知事を先頭にできるのは歓迎する」と述べ、連携に前向きな考えを示した。
日本維新の会の衆議院選挙2017の公約もまた当記事執筆時点では発表はされていませんでしたが、大胆な改革を唱えてくる可能性は高いのではないでしょうか。
日本維新の会としては惜しくも負け戦となってしまった堺市長選挙2017で大阪都構想の考えからまた一歩遠のいてしまったのは明らかですが、国政の力を使って政策を推し進めるというのは不可能でもなさそうです。
まして、小池百合子氏率いる希望の党の力を借りれば尚更かもしれません。
下記は2014年衆議院選挙時の日本維新の会(維新の党)の公約です。
- 「身を切る改革」「徹底行革」で財源を生み出す
- 「政治とカネ」に終止符
- 「脱・公共事業バラマキ」の経済対策
- 「稼げる国」へ、徹底した競争政策
- 「道州制」は日本改革特区
- 総理官邸を国家戦略の司令塔に
- 統治機構改革のための憲法改正
- 原発フェードアウトと「自然エネルギー立国」
- 多様性こそ国家の活力。多様な人材を育てる教育改革
- 先送りにNO!社会保障制度改革
- 女性の力を引き出す
- 現実的な外交・安全保障政策を貫く
- 震災復興は地元目線で
【10月2日:日本維新の会マニフェスト情報を追記しました】
日本維新の会の衆議院選挙2017の公約(マニフェスト)は主に以下の通りです。
- 国会議員の報酬・定数の3割削減
- 2019年10月の消費税率10%への引き上げ凍結
- 教育無償化を含む「現実的な憲法改正」
これらマニフェストは「2017・維新八策が拓(ひら)く新しい日本」と題され行財政改革や統治機構改革、規制改革・成長戦略や憲法改正など八つの柱を元にした政策主張となっています。
既に日本維新の会は希望の党と選挙戦での区割り住み分けをする方針で一致していて、政策主張も類似することが多いことから衆院選では希望の党と連携して自民公明与党を倒す方向で動いています。
実は今回の衆議院選挙でダークホース的に党の野望を叶えようとしているのは日本維新の会かもしれません。
25年国際博覧会(万博)の大阪誘致や、大阪市を廃止し特別区を設置する「大阪都構想」の実現も記し、東京一極集中を打破し地方創生を進めることを強調した。
・・・これはひょっとするとまた大阪都構想のブームが訪れるかも?
自由党の公約(マニフェスト)
一説では今回の小池劇場の火付け役は小沢一郎氏ではないかと言われていますね。
小池百合子氏と前原誠司氏を引き合わせたキューピットは小沢一郎氏なんだそうです・・・。
当初は自由党も希望の党に公認候補者を要請しそこから出馬議員が生まれるのではと言われていましたが、小沢一郎氏は無所属で出馬することに決定しました。
今のところは公約は発表されていません。
衆議院選挙(衆院選)2017の各党の公約を比較をしてみると?
どの政党も教育や少子高齢化への対応は盛り込んでいるので、その辺りは比較対象とはならなさそうです。
(細かい内容まで詰めれば違いはあるとは思います)
消費税増税に関して言えば、自民・公明は推進派で希望の党・民進党・共産党・日本維新の会などは反対といった構図です。
安倍政権が維持されることになれば消費税増税がなされる可能性はグッと近づくわけですが、その分社会保障制度の充実には時間がかかるのかもしれません。
しかし実際には削ることができる支出があるんだからその浮いたお金で社会保障費に当てるべき、という考え方もあります。
また、憲法改正については自民党、希望の党、日本維新の会が前向きな姿勢を見せているのに対し、民進党、立憲民進党、共産党、社民党は反対派です。
今回の衆議院選挙は表面は安倍総理VS小池百合子&前原誠司、といった構図がバンバン伝わってくるのですが、それよりもきちんと約束した公約を果たしてくれる政党に投票するべきなのかもしれません。
政党選択選挙と言われている衆議院解散総選挙ですが本当の意味で名を取って実を得て欲しいとも言えるのではないでしょうか。